9月1日は「防災の日」- 自然災害だけじゃない防災 -

9月1日は防災の日

 

防災士の資格を持って、防災士クラブなるものに所属しているとしては少しきになる日ですね!

 

日本では「防災=自然災害に備える」

と言うのが基本だと思いますし、辞書で引いてもそう出てくるのでしょうかね...

 

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今回は対自然災害ではなく対人災について、対難民に対しての防災です。

 

日本人の皆さんは難民になるなんてこれっぽっちも思ってないでしょうし、実際紛争や迫害によって国外に避難しなくてはならない状況にはならないと、自分でも思ってます。

 

でも難民問題をより主観的に考えるためにも、「もし自分が難民になったら...」って言う視点は大切になってくるのではないでしょうか。

 

それに万が一日本がそんな状態、社会になった時に一度でもなんとなく考えていれば行動も変わってくるはずです!

 

ではもし日本国内でいわゆるジェノサイドに近い状態になる、なりそうになり、国外避難をすると想像してみます。(想像しがたいですけど笑)

 

もし国外に避難する必要がある時、あなたはどこに避難しますか?

 

日本は知っての通り島国。海外に行くには飛行機!って言うのが97%以上(微妙)

 

と言うことはです、日本人が難民になる時、アフリカの国々みたいに車や歩いて隣国に避難する必要はないと言うことです。

 

基本的に飛行機がいるので身一つで避難しなくてはと言う場合は国内避難民(IDPs)にならざるおえないのではないでしょうか。お金もパスポートもないし(避難船が出て中国、台湾、韓国への避難もあり得ますが...)

 

つまりはもし難民になるなら避難先を選べるのです。それに日本のパスポートは最強、ビザなしでいろんなところに行ける!

 

では何を基準に避難先を決めればいいのでしょうか...

 

おそらくざっとこんな感じではないでしょうか!

  1. 航空券代
  2. 言語
  3. 避難先の情報(治安)・生活の手立て
  4. UNHCR
  5. 親戚に国際的な人はいないか

 

まずは何と言ってもお財布との相談ですよね、、、

航空券はもちろんピンキリですが、家族がいればそれだけお金がかかります。僕の家族は5人いますが僕以外の兄弟はすでに仕事をしている分、気にしなくていいかもですが、子供全員が学生の場合は大変ですね。

 

自然と格安航空会社で行ける国に絞られますね。

 

そして次にネックになるのは言語。日本語を話せる国はありません。

となると一番に上がるのが英語圏ですよね、そして本当に英語の自信がない場合は日本人街があるような地域を探して行くか。

 

ただ日本人難民が一斉に押し寄せやすい地域に行くと現地コミュニティとは対立が起きる可能性は高くなりますし、キャパオーバーになることもあり得るのでは...そして食糧不足。(ここカメルーンみたいに)

逆に多い分、支援団体のターゲットにはなりやすいですね。海外での暮らしに自信がない人には向いているかもしれません。

 

 

 

さらに考える必要があるのは現地の情報。

 

現地で生活するにもそこでお金を稼げなくてはいけません。

その国での就職、アルバイトはできるか?

すでに働いている人はその経験を活かせる企業が多くあるかとか。逆にこれという強みがないなら、アルバイトとしてすぐ雇ってくれる飲食店系(?)は多いかなども大事ですね。

 

その国に避難することでさらなる危険性はないか。治安はどうだ?

わざわざ危険という国に行く必要はないですよね。

 

政治的な日本ととの繋がりはどうか?

人道支援は政治の影響をどうしても受けますし、政治家にとってはうまく使えば武器になります。日本と協力関係にある国ほど、日本難民に対する対応は早そうですね。

 

住むところはすぐ見つかるか?

日本人難民が出るとなると国内にキャンプみたいなのはできる可能性もありますが、外国の難民キャンプになることはまずないです。いわゆる「urban refugee」になります。

住むところは自分で探さなくてはなりません。

 

さらに日本円が両替できるのかも大事になるかも。と言うのも日本の銀行の機能がマヒする可能性を考慮して、現金を引き代して大量に持っていく人もいるのでは。なんなら円の価値が暴落する前に外貨に変える必要がありますね!

 

そして何よりも知らなくてはならないのは難民支援団体のまとめ役のUNHCR(国連難民高等弁務官)が難民に対して何をしているかです。

 

今UNHCRでインターンをしている僕ですが、以前はとりあえず難民になればUNHCRから生活保護のようなもの(現金、食料キット、毛布など)は全員受け取れるだろうと思っていました。だからとりあえずは死なない・

 

でもこれは違います。UNHCRは資金繰りは厳しい状況にあり、いわゆる社会的弱者(孤児、老人の独り身、障害者)にしか財政支援はできません。

 

つまり難民となった場合はその土地で自立して生活しなくてはなりません。

 

ただみなが平等に受けられる保護権利もあります。

例えば、難民認定、無償教育、通院(無料)、再定住(狭き門)などです。

 

ここで注意しなくてはいけないことは、難民認定が終わらなくては基本的に保護は受けられないと言うことです、最低でも庇護申請者の登録を終え、証明書が必要です。

 

ただ難民が多い今、庇護申請登録待ちの人数は多いのではと思います。カメルーンではちなみに3ヶ月待ちです。(孤児や赤子連れは優先されますが)

そういった状況も知っておくことは必要です。

 

その国にすでに難民が多くいるということは、すでにUNHCRはいっぱいいっぱいでなかなか彼らの手が自分の元に届くのは遅いと言うことです。

 

ということで、実際頼りになるのは親戚や友達ということが多いですね。

 

特に親戚に国際的な人はいるだろうかということは大切。その人に言語を教えてもらうこともできますし、ツテで住みかや働き先を紹介してもらえることもあるのでは。

 

こういう時に頼れるものはとにかく頼れるようにしておきましょう、そういう意味でもその人がどこの国に行ったか認識して、同じ国で暮らすのは大切です!

 

 

最後に加えると、

ただグローバル化の今、世界のあちこちに支店を持つ日本企業は山ほどあります。

自分の会社はどこにあるのかを知っておくと、その国に避難するだけで、仕事を見つけることは簡単になるかもしれませんね。

 

 

皆さんは、もし自分が難民になった時にどこに避難するか決めましたか?

真面目に考えなくても、なんとなく海外での生活をイメージする機会にして、その妄想を友達と話すのもいいですね。

9月1日防災の日に、たまには超変化球の防災について思いを馳せてみたはどうでしょうか?